良い相続対策!悪い相続対策!

節税というと法律の抜け道を利用して、税金を合法的に逃れるなんてイメージありませんか?

でも、そんな節税ばかりではありませんが、その前に承知しておきたいことがあります。

節税対策には、リスクがあります。

贈与税を支払って子供に贈与したのに、子供が先に死亡したため財産が戻ってきた。土地が90%以上下落したため、過去に行った節税対策が無駄だった。バブ ルのときに贈与税を支払って自社株を贈与したのに、不況で現在は株式価値がほとんどない。このような例はいくらでもあります。

支払うのは何時でしょうか?

ところで、相続税はいつ課税される税金でしょうか。いうまでもなく、今ではなく相続(死亡)の時です。
いくら、試算した税金が減ったと喜んでも、今ではないのです。その対策のための費用はいつ、支払いますか。今、ですか。
もし、「相続発生時」で良いというコンサルタントがいたら、節税額の○%という成功報酬で契約しても構わないでしょう。
対策を行ったことで税その他の費用が発生しないのならば、得することはあっても損しませんから。
でも、現実はどうでしょうか?
対策をやるときに登記費用が発生したり、コンサルタント料を今、支払ったり。
後払いはできません。

相続税は、今、課税される税金ではありません。
相続発生時(死亡の時)です。

実際の相続まで改正されなければ効果はあるでしょう。
でも、そのリスクとコストは見合っていますか。
抜け道を利用した対策は、それが知れわたると、改正される運命にあります。このような対策はやるべきではなく、悪い相続対策です。


では、行うべき良い相続対策とはどのようなものでしょうか。

一つは、税制上予定されている節税対策です。

例えば、遺産の一部を贈与税が少額または、ゼロの範囲での生前贈与。今なら、一定の条件の下、住宅資金の贈与が1千万円まで非課税です。また20年以上婚姻関係のある配偶者への居住用宅地の生前贈与も良いでしょう。

二つ目は、必ずしも節税対策ではありませんが、争続回避対策です。

骨肉の争いほど醜いものはありませんし、遺産分割が10ケ月以内にまとまらないとて特例が受けられず、高い税金を納めることにもなります。

具体的には、争いが起きないよう遺言を書いておく、分けやすいようにある程度の現金を用意しておく。たとえば、万一の時、現金が入るように一時払 い終身保険に加入する。今では、高齢者でも入れる一時払い終身保険もあります。また、生命保険金は相続人1人当たり500万円が非課税です。

 

 

 

 

 

いっそのこと、使ってしまうのもよいかもしれません。生き方の考え方もありますが、必要以上に節約して遺産を残す必要もないでしょう。遺産として残っていなければ課税しようがないし、分割でもめることもありません。

また、いつかは支払うことととなる経費を今、支払って遺産を減らしておくのも良いでしょう。
例えば、利用するのに整地が必要な土地がある場合、すぐに整地をしておく。
すでに亡くなっている親の親名義の土地について、今、本来の所有者の名義に変更しておく。
後になると整理が難しくなります。

最後に、安易にやってはいけない対策は、ズバリ、相続税対策のため借金してのマンション経営です。先に、節税があると、マンション経営の採算性が無視されがちです。土地があるからそこにマンションを造るでは、安易です。その結果、相続税はゼロになったが、借金返済で四苦八苦、シャレになりません。